焙煎したてのコーヒー豆に出会ったことはありますか?焙煎直後って聞くと美味しそうに感じる人もいると思いますが、実はコーヒーの飲み頃は焙煎直後ではないんです。
炊き立てのお米のようにコーヒー豆も焙煎直後が美味しいんじゃないの?
そもそも飲み頃なんてあるの?
焙煎直後のコーヒー豆の特徴
焙煎直後の豆の特徴は炭酸ガスの放出量です。この炭酸ガスの勢いがすごいとお湯をかけた時に豆がよく膨らみます。いわゆるコーヒードームってやつなんですが、膨らみ過ぎることでドリップがやりにくい反面もあります。見ていて気持ちよくなるくらいの膨らみなんですが、実は膨らみ過ぎることで粉とお湯がしっかり触れることを邪魔してしまいます。なのでコーヒーエキスが抽出されにくく、未抽出になり味わいがぼんやりしたコーヒーの仕上がります。ただし、香りはものすごくします。なぜなら香りの正体は炭酸ガスだから。
いつが飲み頃?
では一体いつが飲み頃なのか?一般的に言われている飲み頃は焙煎後3日〜1週間と言われています。その理由は焙煎によって発生した炭酸ガスの放出が安定し、風味が安定するから。基本的にコーヒー豆は焙煎直後から酸化が始まっていきます。正しく豆の状態で保管できていたとしても、香りを楽しみながら美味しく飲めるのは1ヶ月までだと思ってください。ただし、ベストな状態でないだけであって焙煎直後や1ヶ月後の豆が美味しくないわけではなくて好んで飲まれる方もおられます。
粉で購入する人はチェック!
豆でなく粉の状態で購入する方はできるだけ1週間で飲み切れる量で購入することをオススメします。なぜなら、先ほどもお伝えしましたが焙煎直後から酸化は進んでいきます。豆は粉にすることでさらに酸化のスピードを上げるので、豆ほど日持ちはしません。香りを楽しみながら飲まれるのであれば、1週間以内が好ましいです。
いざ熟成(エイジング)
そもそも熟成(エイジング)とは?
簡単に言えばワインやウイスキーのようなイメージと同じで「寝かせること」です。寝かせることで味わいに変化が起こり品質が向上することを熟成と言います。品質が向上しない、悪化するようなことは熟成と言わず変質と言います。
エイジングでどう変わるか?
コーヒーの持っている甘味やコクが抽出されやすくなります。仕組みとしては、ガスの放出が落ち着くので粉とお湯がしっかり触れることでコーヒーエキスが抽出されやすくなるからです。
エイジングのやり方
前回の記事に書いた正しい豆の保管方法のまま保管するだけです。基本的には変わりません。2週間くらいで飲み切れるなら常温でもOKですが、1ヶ月くらいかかるなら小分けにして冷凍庫へ入れるとさらにいいです。注意する点はあくまで正しい保管方法で保管することです。でないと酸化した豆になるだけなので注意してください。
エイジングによる味わいの違い
ブラジル産/ブルボン/フレンチロースト
焙煎直後
豆の膨らみ・・・◎
新鮮な風味で軽い感じ、豆の主張が強いイメージで味が見つけにくい。
3日後〜1週間
豆の膨らみ・・・◎
膨らみと香りが十分で味わいにやや丸みがあり、苦味・コク・甘味などが1番わかりやすいタイミングで、しっかりまとまった味わい。
2週間後
豆の膨らみ・・・◯
やや香りが弱くなってき始めた頃、濃厚な味わいでまろやかで飲みやすい味わい。
1ヶ月後
豆の膨らみ・・・✖️
香りと膨らみはなく、ドリップするのが難しい状態ではあるがコクを感じ、チョコレートのような余韻を感じる。
本記事のまとめ
コーヒー豆は焙煎直後から酸化が始まっています。焙煎直後の豆の特徴は炭酸ガスの放出量です。ドリップした時に豆の膨らみがすごく香りもすごくしますが、逆にドリップが難しくなり未抽出になりやすいです。正しく保管することでエイジング効果が発揮し、味わいに変化が起こるので豆を購入されるときはなるべく焙煎直後の豆を買うことをオススメします。
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