コロナが落ち着き出して週末のイベントも以前のように多くなってきました。キッチンカーをしている人は「どのイベントに出店しよう?」と、悩んだことはありませんか?僕もキッチンカーをしていますが、実はイベント出店は控えています。しかも、あまりオススメしていません。
なぜなら、イベント出店に”向いている人”と”向いていない人”があって、出店することで大きくなるリスクがあるからです。僕自身もイベントの出店を減らしたら*通常出店での売上が上がった経験もあって、今回はイベント出店をオススメしない理由と”向いている人”と”向いていない人”の見極め方を紹介します。
この記事を読み終えると、自身が経営するキッチンカーがイベント出店に”向いている”あるいは”向いていない”が、わかるようになり、今後の売上アップにつながります。
*通常出店・・・ここでは平日出店やスーパー前での出店とする
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ゴール(目標・目的)を決めて行動する
キッチンカーを始める前に必ず考えていないとダメなことは『ゴールの設定』です。「キッチンカーで独立したい人」「パートの代わりにキッチンカーをする人」「副業で始める人」「固定店舗の広告目的で始める人」など、人によってゴールは異なりますが、どうなりたいというゴールを決めてから営業することが大切で、ゴールを決めるからこそ達成までズレることなく行動ができるようになります。
ゴール別キッチンカーの思考や行動
キッチンカーで独立したい人
流行り物ではなく、長期的に商売ができるメニュー選びが重要。出店場所に関しては、継続的に出店ができて人の流れがあるところが重要。
- 覚えてもらいやすいように営業日、出店場所の固定
- 卸しやブログ、コンサル(教室)など収入源を複数持つ
パートの代わりにキッチンカーをする人
流行り物や写真映えする物や、好きなことで続けることが苦にならない働き方を優先にする。
- 平日出店をメイン
- 土日は家族の時間にしてイベントは少なめ
副業で始める人
仕込みに時間(期間)を必要としないメニューで大量生産できるものが好ましい。もしくは、万人ウケしなくても一部の人にものすごく共感を得る商品の販売。
- 週末のイベントをメインとした出店
- 売上と同時に売れ残りにも意識すること
固定店舗の広告目的で始める人
店舗への流入が目的なので、イベント出店がメイン。利益よりも印象に残る商品。
- 売上より、店舗に行ってみたいと思わせることに意識
- ロゴ、ショップカード、来店特典などの施策の準備
通常出店が大事な理由
キッチンカーをメインの収入にしたいと考えている人は、必ず通常出店(平日出店)が重要になります。理由は『顧客のリピート率』と『活動日数』の違いです。
売上は『客数×客単価』で作られます。リピーターによって作られた売上と、新規のお客さんによって作られた売上は同じ金額だとしても圧倒的に意味が違います。なぜなら、キッチンカー営業では客数と客単価に上限があるからです。
理由①客数の上限とは?
イベント出店で新規の顧客を呼び続けようとしても、キッチンカーはスペースが狭いので仕込みできる量に限界があります。つまり、お客さんを呼び続けられたとしても材料がなくなってしまうからです。
理由②客単価の上限とは?
キッチンカーで販売する商品はどんぶりやデザート、ドリンクなどの軽食がメインです。利用する人も「ちょっと軽く」のつもりなのであまり高単価だと購入されません。言い方を変えると、高単価なものを求めていません。
イベント規模が大きくても1日の売上で何日も暮らせる程、手元に残らない。
商品や規模にもよりますが、地方のイベントでよく売れても生活がラクできるほど手元には残りません。なので、短期的にする場合は別ですが、長期的に考えているならリピーターのお客さんが大切です。その為にはお客さんが「お店に来る理由」をしっかり作らないといけません。
顧客のリピート率と活動日数
顧客のリピート率
イベント出店と通常出店を比べたときに顧客のリピート率は違います。なぜなら、イベントは短期的で次回までの期間が長いのでリピートしてもらいにくい一方、通常出店は毎日・毎週のように出店を固定すればリピートしてもらいやすい。例えば、よく買い物に行くスーパーや通勤ルートに出店場所が被っていれば、ついで買いやリピート率も高くなります。わざわざどこで出店しているか探して行くお客さんは少ないですし、平日の昼間に自由に動き回れる人も少ないので生活ルートに入り込むイメージで出店場所は選んだ方が良いです。
活動日数
土日がイベントと考えて年間約130日(祝日含む)ほどで、平日出店の場合だと年間約230日ほどです。雨天中止などのリスクも考えると、売上の大半は平日出店で作られたものになります。
イベント出店がダメな理由
イベント出店をオススメしない理由は、商品の売れ方に違いがあるからです。例えば、今までにお祭りのような“雰囲気で物を買ってしまった”経験はありませんか?このとき、お客さんがあなたの商品を購入した1番の理由は雰囲気です。売れる事に関しては良いんですが、『なぜ売れたのか?』という理由がわからなくなります。長くキッチンカーを続けたいなら、売れる理由をしっかり把握しておかないとダメです。それがあなたの強みで、お客さんがあなたのキッチンカーに求めているところです。
イベンターとキッチンカーの収益モデルの違いを理解する
イベントを企画するイベンターとキッチンカーを運営する人の収益モデルを知ることも大事です。それぞれの収益モデルを理解することでイベント出店するメリットがよくわかり、デメリットも理解できます。
*イベンターは会場費などの準備費用がかかりますが、今回は地方のイベントと考えて話をします。
- イベンター・・・出店者からの「出店料」がメイン
- キッチンカー・・・顧客からの「売上」がメイン
イベンター収益の特徴
イベンターの収益モデルの特徴は、出店者が確定した時点で収益が確定するところです。つまり、来場者数に関わらず売上の計算が立てれるので、赤字になりにくい。一番の仕事は「出店者を集めること」になる。
イベント出店のキッチンカー収益の特徴
従来通りの仕組み。だが、イベントだと普段の出店時よりも集客が多くて、顧客も興奮状態により財布の紐が緩くなる傾向があるので購入されやすい。ただ、イベントでの売上は天気や他のイベント、同商品販売者などのいろんな要素に影響されやすいので注意。
収益モデルから見えること
イベンターは先に売上が確定、出店者は後に売上が確定することが大きな違いです。このとこから、イベントに出店するリスクが見えてきます。それは、数ヶ月先のことを予測して出店を確定させなければいけないことです。
意外とあるのが、同じ日に別のイベントがあってお客さんがそっちのイベントに流れてしまうことや、地元の行事などと被ってしまって集客数が少なくなること。
最悪の場合、雨天中止で出店料の返金なしです。返金はないのが一般的ですが、仕入した食材が在庫になってしまうというリスクもあることを知っておきましょう。
イベント出店が向いているキッチンカー
これからキッチンカーを始める人や、兼業でキッチンカーをしたい人(してる人)にはイベント出店が向いています。
イベントの方が集客数が多いので”お店を知ってもらう”という意味では効率が良いし、週末だけキッチンカーというスタイルの人にも効率が良いです。イベント出店のメリットは売上よりも集客力の高さです。
イベント出店に向いているメニュー
一度に大量に作れたり、ある程度の作り置きができるような提供速度が速い食べ物が好ましいです。
理由は、お客さんは沢山のお店を回りたいと思っているので、ひとつの店舗にあまり時間をかけたくないという気持ちが芽生えるからです。あとは流行っている商品などもおすすめです。
通常出店が向いているキッチンカー
キッチンカーだけで生計を立てている人(いきたい人)や、既にキッチンカー歴が長い人はイベントよりも通常出店の方が向いています。
キッチンカーで生計を立てたい人が目指すのは、安定した収益を得られる仕組みと顧客作りです。なので、イベント出店よりも接客・集客施策などに力を入れてファン作りを優先しないと長期的な事業はできません。
既にキッチンカー歴が長い人・生計を立てられている人がしないといけないことは、顧客単価を上げる施策と来店頻度を上げる施策に力を入れることです。新規顧客より、リピーター向け施策重視。
通常出店に向いているメニュー
作るという作業を演出として見せたり、好みでアレンジできるようなメニューだとウケが良く、リピート率が高いです。
また、音や動きなどを使って体験させることでココで買いたくなる理由を作り、リピートしてもらうことも大事です。
本記事のまとめ
キッチンカーを始める人は年々増加してきており、イベントの開催も徐々に多くなってきていますが、目的によってはイベント出店をオススメしません。
その理由は、イベント出店に向いている人と通常出店に向いている人に分かれるからです。その見極め方は自分がどうなりたいかというゴールで変わってきます。
キッチンカーで独立したい人やパートの代わりにキッチンカーを選んだ人はイベントより、安定的な収入が見込める通常出店の方が向いています。逆に、副業や広告目的で始める人は集客力の高いイベント出店が向いています。
イベントは売上が多く見込める機会でもありますが、その分リスクになるケースもあります。目的によって出店すべきなのか、よく考えて出店を決めてください。
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